2018年4月29日日曜日

K.Country H.C-500 ペグビス穴処理


適切な切断工具は何であるのかは検討の余地ありです。今回は斜ニッパーで粗切断。

ここまで来たらノミが有効。和工具の切れ味は優秀ですが、やはりメンテナンスが重要。この後手持ちの鑿類を研ぎなおしました。

K.Country H.C-500 ブリッジの製作

ブリッジの制作を行います。外形は、今あるブリッジの形状が健全であるため、トレースして使うことにします。

写真の写り具合から非常に薄い鉛筆の跡ですが、作業をするには十分な濃さです。
ただ、鉛筆はもう少し柔らかいものが好みです。

2018年4月28日土曜日

K.Country H.C-500 ブリッジ取り外し手法の提案

サドル高確保のために削られていたブリッジ。最初に確認をした際には気にならなかったがスクレーパーを差し込んでみると…

これほど入り込む状態。こんな状態だとブリッジも新造する必要があります。今回は一般的に行われている方法とは別の手法を考案しました。

まずはブリッジ周りをプチプチで保護します。
そして、使用するのは熱湯の入ったビニール袋。この方法であれば熱源が100度を超えることがなく、焼損がありません。また、表面追従性がよいため加熱したい部分に密着させることができます。ブリッジ取り外しで大切な温度と時間についてもメリットがあります。温度は季節によって外気温が異なるため若干の差がありますが、基本的には約100度からのだら下がりです。そのため管理するのは時間のみでよくなります。

ブリッジを取り外した結果、ちょうどスクレーパーを差し込んだあたりが変色しています。はがれ始めてしばらくの時間がたっていたようです。また、ブリッジ側に格子状の模様が見られます。ブリッジ接着時にボディ側の塗装をノミではがした際に木材側に残った切れ込みの形状であることが想像されます。

2018年4月26日木曜日

K.Country H.C-500 ペグのビス穴処理、タイトボンドの性質

タイトボンドでペグのビス穴を処理します。よく見るタイトボンドとつまようじのセットです。よく見るセットですが、これらは非常に合理的な組み合わせなのです。
まずはビニール袋の上にタイトボンドを出し、つまようじの先端につけます。酢酸ビニル系の接着剤より粘度が低いので滴ることのないように配慮が必要です。

そしてペグのビス穴に差し込みます。この時、つまようじの太さがジャストフィットなのです。
6本全て作業を終えました。
つまようじの材質は白樺です。正式にはシラカンバという名前があるそうです。
乾燥時には狂いは比較的少なく標準的な強度をもっています。寸法、性質ともに非常にバランスの良い材料が安価に手に入るという状況です。また、形状も完全な円柱ではなく、よく見ると面取りがなされています。接着剤を逃がすにも都合よいものになります。




そして、タイトボンドの性質です。タイトボンドはまだまだ地方のホームセンターでは手に入りませんが、通販やクラフト専門店などで入手することができます。乾燥した状態は弾性があり、指で丸めることもできます。酢酸ビニル系より硬化時の痩せが少ないことも特徴です。

2018年4月25日水曜日

K.Country H.C-500 ペグの分解・クリーニング2

残っている3つのペグの洗浄を行います。



洗浄液につけてもすぐには古いグリスが落ちません。時間を置くことで安静に保管していても古いグリスが白く変色し剥がれ落ちてきます。機械を扱うことがありますが、多くの機械で適切に潤滑を行うことでよいフィーリングを得ることができます。たかがグリス、されどグリスです。

2018年4月20日金曜日

K.Country H.C-500 ペグの分解・クリーニング




左側がクリーニング後。ケースの緑青もだいぶ落ちました。

 右側がクリーニング後。
 いろんな角度から。

古いペグを再利用する場合にはこのような方法もあります。新しいペグを使うという方法もありますが、オリジナルの音を味わいたい場合、ピカピカの新品ではギター本体とのマッチングが気になる場合などに適しています。また、下の画像はペグ3つを洗浄後の残渣です。未洗浄のペグには、これほどの汚れがケースの中で動いています。

2018年4月18日水曜日

K.Country H.C-500 状態の確認 ペグの分解・クリーニング

状態の確認を行い、ペグのクリーニングを行います。 以前の所有者はエンドボールを弦に通して使用していた様子。
 2弦用のペグ。このペグは…
 左右にガタがありました。これだけのガタがあるとかなり気になるものです。この状態は修復を行います。
 ペグを取り外し、分解したところです。通常、つまみの部分はねじを外すととれるはずですが、今回は固くて外れなかったため、ここまでの分解とします。
 ペグのカバーの中はグリスがたっぷり入っていました。しかしながら、おそらく製造されて40年以上ケアはなされていません。ペグのつまみを回した際にはトルクムラがあったり、金属の摩擦感があったりします。
 小さなワッシャーなも含まれています。
 分解した部品は洗浄液に浸し、汚れを落とします。
 ペグの洗浄の間、サドル溝のクリーニングを行います。あまり適切な状態ではありませんでした。
 サドル溝の汚れを掻き出すとこれほどの粉末が発生しました。このような状態ではよいパフォーマンスの発揮は難しいでしょう。


 洗浄液からペグを取り出して観察したのち、つまみ部分の分解ができました。これからすべての部品を磨き上げます。洗浄液内の汚れが見えるでしょうか。



拭き上げを行った際の様子。ウエス上にこれほどまで金属片や汚れが見て取れます。